配置薬で業界トップの富士薬品

富士薬品はテレビCMなども良く流れているため、ほとんどの人が知っている企業ではないでしょうか。その社名の通り、医薬品に関する事業を行っています。医薬品に関する事業では、大きく製造、研究開発、販売に分けることができるのですが、富士薬品ではそれらの全てを行っており、複合型医薬品企業とも呼ばれています。

現在の本社は埼玉県となっていますが、創業の地は富山県のようです。富山県で配置薬の販売を始めたのが始まりで、法人化する際に本社を埼玉県にしているのです。

これは、法人化するにあたって、顧客の多かった埼玉県を本社を置く地に選んだということのようです。

富山県は配置薬の発祥の地でもあり、薬の販売でも有名なところですから、この地で創業したというのも当然のことなのかもしれません。法人化した際の企業名は有限会社高柳薬品商会で、現在の社長が高柳昌幸氏であることから、代々社長を引き継いでいることがわかります。

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配置薬の業界ではトップ

配置薬の販売から起業し、さまざまな事業を行っているようですが、配置薬に関しては業界トップの実績を誇ります。実際に、全国には300を超える営業所があり、配置薬の販売を行っています。

配置薬の販売は、一般的な医薬品の販売とは異なります。一般家庭でも企業でも可能ですが、薬を置いておいて、使用した分の料金のみを支払う形になります。

ですから、いくら薬を置いておいても使わなければ一切料金はかからないということになります。一般的な常備薬の考え方では、必要となりそうな薬等を購入して常備するのですが、配置薬の場合は購入の必要がないのです。

そこで気になるのが、使用期限ではないでしょうか。通常、薬には使用期限が設けられており、その期限を過ぎたものは、効果が期待できなくなるため、廃棄という形になります。配置薬の場合、使用期限を過ぎたものは新しいものと交換してもらえるのです。もちろん無料で交換ということになります。

ドラッグストアによる医薬品の販売

配置薬で有名な富士薬品ですが、医薬品の販売においては、ドラッグストア事業も行っています。複合型医薬品企業となっている現在では、多角的に医薬品とかかわる事業を行っているようです。

富士薬品のドラッグストアは、直営店はドラッグセイムスという名称で、全国に展開しています。直営店でないものは、もともとの名称であったりするので、運営会社によって違いがあるようです。どちらにしても、富士薬品のグループ会社であるという点に違いはありません。

現時点でグループ全体では1300を超える店舗数があり、知っている。利用したことがある。という人も多いのではないでしょうか。

富士薬品で配置薬を申し込む

いざというときのために自宅や事務所に置いている薬のことを常備薬といいます。風邪薬や胃腸薬、湿布や絆創膏、また、消毒用アルコールや包帯など、さまざまなものがあります。一般には救急箱と呼ばれるケースに入れて保管しています。多くの家庭や事務所で、常備薬を置いているのではないのでしょうか。

その常備薬と似た存在に配置薬というものがあります。こちらも、いざというときのために家庭や事務所などにおいて置く薬であるという点は同じです。しかし、この2つには大きな違いがあります。

常備薬は医薬品を購入して備えておくのですが、配置薬は購入しません。使用後に使った分だけ料金を支払うことになります。簡単に言えば、医薬品の在庫を自宅や事務所において置き、必要になった際に購入するといった感じでしょうか。医薬品の種類は限定されますが、24時間いつでも利用可能な薬局みたいな感じになります。

この配置薬で大きく成長したのが富士薬品という医薬品の企業です。

配置薬の販売で創業

富士薬品が創業したのは、今から90年ほど前のことで、富山県で配置薬の販売業として誕生しました。当時はまだ、富士薬品という名称ではなかったようです。

法人化したのが1954年で高柳薬品商会として設立されており、その9年後に富士薬品に商号を変更しています。

現在の社長は高柳昌幸氏ですから、高柳薬品商会というのは、代替わりはしていますが経営者の名字からとった社号ということになります。

配置薬の販売で創業してしますが、現在は配置薬の販売だけでなく、医薬品に関わるさまざまな業務を行う巨大なグループ企業として成長しています。ドラッグストアを全国展開して販売網を広げているだけでなく、医薬品の研究開発や製造までを行う複合型の薬品企業となっています。

配置薬を申し込むには

全国にある富士薬品の営業所に連絡して申し込むという方法だけでなく、ホームページにて配置薬の申し込みを行うことができます。厳密にいえば、配置薬そのものの申し込みではなく、担当者の説明を受けるための申し込みとなっているようです。

実際に契約となるのは、申し込みを行い担当者による「救急箱の配置に関する説明」を受けた後に書類の手続きが必要となります。営業所は47都道府県にあるので、どの地域に住んでいても契約することは可能となっています。

配置薬はその仕組み上、担当者が配置薬を設置した家庭や事務所を訪問する必要があるため、営業所が必要になります。初回訪問時に契約を行い、配置薬を設置しますが、この時に料金は必要ありません。以降、担当者の訪問時に使用した分の薬代を支払うという形式となっています。

また、使用期限の切れた薬は新品と無料交換してくれるので、まったく使うことがなければ、お金はかからないようです。

ジェネリック医薬品の製造も行う富士薬品

富士薬品は、配置薬で有名な医薬品関連企業です。現在は、医薬品の販売だけでなく、研究や製造などもの行う複合型の医薬品企業となっており、ジェネリック医薬品の製造から販売も行っています。

ジェネリック医薬品も最近は、利用者もかなり多くなっているのではないでしょうか。処方箋をもって薬局などで受付をするとジェネリックにしますかと聞かれることもあると思います。実際にそのジェネリック医薬品とはどんなものなのでしょうか。

ジェネリック医薬品というのは、後発医薬品とも呼ばれ、労働省の認可を得た新薬と同じ有効成分を含んでいる薬です。新薬と比べると開発費が少ない分、価格も抑えられているというメリットがあります。但し、新薬とまったく同じというわけではなく、敬遠する人も少なくありません。現在では、そのシェアは日本で60パーセントほどとなっています。アメリカでは90パーセントを超えており、国内ではまだこれからの分野と言えそうです。

医薬品製造

富士薬品は法人化の際に、本拠地を埼玉県さいたま市に構えています。しかし、創業の地である富山県には、工場があります。

富山工場と富山第二工場の2つの工場があり、さまざまな医薬品の製造を行っています。

富山工場では、製造技術の進歩に伴い、改修工事を行いながら、常に最適な製造環境を維持しているようです。自社開発を行った、高尿酸血症治療薬である「トピロリック錠」等をはじめとして、錠剤やカプセル剤、また、顆粒剤といったさまざまな薬の製造を行っています。

富山第二工場は、富山工場から6年後にできた工場で、医療用注射剤の専用工場として操業を開始しています。ここでは、世界初となるオゾン微生物制御システムを使用したクリーンルームがあり、自社製品だけでなく、他社からの受託開発も行っているようです。

さまざまな事業

創業時の配置薬の販売から始まり、現在は医薬品に関するさまざまな事業を富士薬品は行っています。ジェネリック医薬品の製造もその一つですが、大きな事業のひとつとしてドラッグストア事業もあります。

ドラッグストアはひとつのブランドというわけではなく、地域によって店舗名が異なっているようです。というのも富士薬品はグループ会社としてさまざま企業を傘下においています。直営店に関しては、ドラッグセイムスといった名称でドラッグストアを展開していますが、企業によっては、以前のままの名称でドッグストアを展開しているケースもあるのです。そのため、店舗名は異なっているようです。しかし、同じ系列店であることに違いはありません。

富士薬品が全国に展開した全ての店舗を合わせると、1300を超える店舗数となっているようです。

富士薬品のグループ企業

富士薬品は多くのグループ企業を抱える複合型医薬品企業です。複合型というのは、販売だけでなく、研究から開発、また、製造まで医薬品に関してさまざまな業務を行なうことから呼ばれています。

現在の社長である高柳昌幸氏のホームページでの紹介文にもあるように、もとは富山県で配置薬の販売を行っていたのですが、お得意さまが増えてきたことにより、法人化して今の会社のベースとなったようです。本社は創業の地である富山県ではなく、当時お得意さまの多かった埼玉県にしていますが、富山にも2つの工場を建設しているように、郷土に対する思いも忘れてはいないようです。

配置薬の販売は、現在も中心的な事業のひとつなのですが、複合型医薬品企業としてさまざまな業務を行っています。全ての業務を本体だけで行うのではなく、多くのグループ企業によって運営をしているのです。

配置薬の販売やドラッグストアの事業

富士薬品の配置薬の販売は、株式会社内山薬品商会、株式会社コスモ薬品、株式会社千葉富士薬品、株式会社広田薬品販売、株式会社富士薬品販売、株式会社JC薬品販売といった企業が中心になって行っています。

配置薬の販売や契約を行う事務所は、全国で300を超える営業所があり、地域によって管理する企業が異なっているようです。直接の子会社というのもあるのですが、外部から傘下に加わった企業もあります。また、吸収合併を行った企業もあるようです。全株式の取得によるものや、事業譲渡によるものなど、グループとなった経緯はさまざまなようです。

ドラッグストア事業に関しては、直営店もありますが、グループ企業の経営するものもあり、店舗名は統一ではなく、管理している企業によって異なっているようです。全てのドラッグストアを合わせると1300を超える店舗数となっているようです。店舗によっては、薬剤師が常駐し調剤が可能なもの、調剤薬局が併設されているものもあるようです。

製造にかかわる企業

製造に関しては、東和製薬株式会社、株式会社パナケイア製薬といった企業が中心的になっています。

東和製薬株式会社は東寿明氏が個人で薄荷ゴム膏の製造を行っていたのが始まりで、昭和33年に有限会社東製薬所として法人化しています。平成11年に富士薬品が資本参加したことによって、グループの一企業となったようです。

株式会社パナケイア製薬は中田製薬として1925年に創業しています。ですから、富士薬品より以前から医薬品に関する仕事をしていたことになります。何度か社名を変更しており、2008年にパナケイア製薬に社名を変更したタイミングで、グループに参入しているようです。パナケイアとは、古代ギリシャ語で全てを費やすといった意味だそうです。

富士薬品の人材募集

富士薬品は複合型医薬品企業としてさまざまな業務を行っています。そのため、募集している職種もさまざまなものがあります。

薬局やドラッグストアを展開しているため、そこでの業務としては、ドラッグストアの総合職や薬剤師の仕事があります。調剤が可能なドラッグストアとそうでないドラッグストアがあるため、薬剤師の職種のありなしが変わってきます。

創業からの業務としては、配置薬の販売があり、配置薬営業職も募集しています。富山県にある工場では医薬品の製造を行っているので、そこで働く製造・技術・品質管理職なども募集しています。

全国展開していることもあり、職種によっては勤務地は様々です。会社説明会はWEBでも行われており、パソコンやスパートフォンがあれば説明会を視聴して選考に参加することができるようです。

WEB説明会から選考の流れ

富士薬品はWEBで会社説明会を実施しているので、誰でも、どこからでも参加することが可能です。全国に展開しており、地元勤務やUターンも可能なことから、こういったWEBでの説明会を行っているのかもしれません。

まず、WEBにて説明会の予約を行います。説明会はさまざまな日程で行われているので、受付中となっているのであれば、申し込みが可能です。予約が完了すると、説明会の当日にURLが記載されたメッセージが送られてくるので、指定の時間に接続を行います。これで、説明会の視聴ができます。

選考を希望する場合は、アンケートに回答します。その後、WEBの適性検査を受けることになるのですが、この内容は後日行われる面接時の資料として扱われるようです。同時に、採用課に履歴書を送付することになります。その後、面接会場にて面接を受け、採用の合否がきまるようです。

募集している職種によって異なる勤務地

富士薬品は配置薬の販売を行うため、全国に営業所を展開しています。また、ドラッグストア事業でも全国展開をしているのですが、グループ企業が多く、富士薬品の直営店となると、どの地域でも働けるというわけではないようです。但し、ドラッグストアの場合は、自宅からの通勤が考慮されるようです。

また、研究開発職や品質管理となると、本社や研究所のある埼玉に限定されますし、製造関係の職種であれば、工場のある富山県ということになります。

そのため、希望の職種、及び、勤務地についてはしっかり考えておく必要があるかもしれません。募集要項に関しては富士薬品のホームページでも確認できますし、リクルート関連のサイト等でも確認することができます。

新卒採用、中途採用、障がい者採用、パート・アルバイト採用といった採用が行われているので、興味のあるかたは確認してみてはいかがでしょうか。インターンシップも行われているようです。